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〜街角ドキュメンタリー〜
素人名言劇場

【素人名言_ドキュメントNo.10】
名前:祥子さん/20代後半
インタビュー日時:2019年8月某日
インタビュー場所:池袋

私はとある男性誌(いわゆるエロ本です)で、6年間にわたって連載をしていました。熟女・人妻系の雑誌だったので内容的にはそこに絡めた潜入・体験ルポがほとんどだったのですが、そこで出会った素人のみなさんもまた刺激的でした。今回は道で声をかけた人や連絡をもらった人ではない、当時取材をした中で印象に残っている素人について書きたいと思います。


街角ドキュメンタリー


彼女に会ったのは10年ほど前、池袋にあった「出会い喫茶」でした。当時の出会い喫茶には様々な形態やシステムがありましたが、私が潜入した出会い喫茶はまず受付で入場料(たしか当時5~6000円)を支払い、アンケートに記入します。アンケートの内容は、自分の「身長」「体重」「芸能人だと誰に似ているか」「今日来店した目的(友達探し、彼女探し、結婚相手探し、飲み仲間探し…)」とかそんな感じです。

その後、個室に通されます。四畳半程度のスペースに小さなソファとテレビが置いてあるだけの簡素な部屋です。そして先ほどのアンケートを別室にいる女性が見て、興味を持ったらその後、私のいる部屋を訪れてきます(30分/3000円、チェンジは何度でも可能)。そこで男性と女性の出会いの目的が一致すれば、外出料(確か3000円くらいだったか)を支払い連れ出すこともできるというものです。

当時、池袋の出会い喫茶「K」に、暇を持て余した美人な人妻&熟女がわんさかいるという噂を聞き、実際のところどうなのかお店に行って体験・検証をしに行ったのです。

その日、個室で私は数人の女性と会い、いつからこの喫茶店を利用しているのか、ここに来る理由など、色々と聞きました。みなさんおおむね言っていたのは「暇つぶしにちょうどいい」「単純に楽しい」「お酒がタダで飲めて、お金ももらえるから(女性のウエイティングルームではビールと焼酎が飲み放題、待機している時間はバイトと同じでお金も支払わられるのだそう)」。

そして次に多かったのは売春目的。基本的に個室の中で何が起こってもお店側はノータッチなので、周囲に迷惑をかけずに静かにしていれば何をしても良いのです。風俗代わりに、お金を支払ってその場で抜いてもらう男性はたくさんいたと思います。実際、私がトイレに立った帰り道、あんまり似たよう扉が並んでいて自分がどの部屋だかわからなくなり、ええいままよと目の前のドアノブをひねってみたところ、全裸の男女が息を殺して立ちバックをしていましたから。

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祥子さんとはそんな場所で出会いました。私が個室に入ってから4~5人目に会った女性だったと思います。最初のインパクトがとにかく強烈で、何がすごかったってまず見た目。とにかく”整形感”が半端なかったのです。色白で金髪、大きくくっきりとしすぎな二重の目元と測ったかのように整いすぎた鼻筋はもちろん(今でいうところのMatt的な)、胸は何カップあるんだっていうくらい異常なまでに膨らんでおり、それに反して手足は細すぎるくらい細いのです。ところどころにタトゥーも入っています。

そんな女性がへべれけの状態で入って来るやいなや、開口一番言い放った言葉が「あらお兄さん男前ねー。いくらでする?」でした。見た目は、叶姉妹の妹さんの顔をよりくっきりとさせて、かなり痩せさせたような感じです。美人と言えば美人なのかもしれませんが、そのときの私はどちらかというと恐怖感の方が強かったと思います。あまりのビジュアルと勢いにテンパってしまい、最初は彼女が何を言っているのかすぐに飲み込めなかったのですが、落ち着いてくると色々とわかってきました。ただ私は風俗を楽しみに来たわけではなかったので、前に会った数人の女性にした同じような質問を彼女にすることにしました。

「今日は何時くらいからお店にいたの?」

「昼から~。もうベロンベロンだよね」

「ここにはよく来るの?」

「けっこう来てるかな。かなり稼げるからさ。今日だって(持っていたカバンの中をゴソゴソしながら)ほらこんだけ稼いだし(笑)!(10万円くらいはあるだろうお札を扇子のようにひらひら仰ぎながら)よし、今日はいつもより稼いだからお兄さんにお酒おごってあげる!」

「ありがとう。でもそのお金はどうやって稼いだの?」

「口で二人抜いて、あと他に二人と本番して。お兄さんもここでする? 私超気分が良いしお兄さんのことタイプだから、今ならタダでしてもいいよ!」

なんていうかサイコパスでした。

その後、彼女をなだめながら色々と話を聞いたところによると、彼女は埼玉県在住の30代。地元の中学を卒業後、高校へは行かず、水商売などをしながら暮らしていたそう。両親は自身が幼いころに離婚をしており、一時期親戚の家に身を寄せていたが、折り合いが合わず数年前に家出をして、それからはずっと一人で暮らしているという。

「あー、お腹空いた。お兄さん、焼肉が食べたい! 何もやらないんだったら 今から焼肉屋さんに行こうよ! 」

そう言うと、私の腕をがんがん引っ張る彼女。私としてはお店の内情もなんとなくわかったし、何より彼女に興味を持ったので断る理由もなく、退室料3000円を支払ってお店を出ました。

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お店を出るとすでに彼女が待っていたのですが、驚いたことに愛犬のチワワと一緒でした。リードもつけずに、彼女が履いていたピンクのルブタンの周りを、ちぎれんばかりにしっぽを振りながら嬉しそうに跳び回っていました。

「このこはお利巧だから、このままでも平気なんだよ。私の彼氏なんだよねー(笑)」。

愛犬にそう話しかけながら彼女が大きな交差点に向かって歩き出すと、チワワもその後ろをぴったりとつけて、嬉しそうにちょこちょこと歩き出しました。彼女の行きつけのお店が新大久保にあるというので、私は明治通りでタクシーを拾いました。

焼肉屋さんでは、さっきの話の続きを聞きました。出会い喫茶はあの店以外に数店通っていること、行けば最低でも5万円程度は稼ぐとこと、出会い喫茶以外の稼ぎはキャバクラとヘルス、あと過去に何度か企画単体のAVにも出たことがあるということ。風俗の仕事が好きなのかと聞くとそうではないという。

彼女いわく、お金には今は困っていないけど幼い頃の苦しい貧乏生活がトラウマになっていて、特に欲しいものはなくても1円でも多く持っていたく、お金に対しては人一倍執着心が強いということ。セックスはきらいじゃないけど、好きかと聞かれたらそうでもない。ただ、たとえ知らない人でも、誰かの体に触れていたいという気持ちは常にある。自分は天性の寂しがり屋なのだと。

「顔と体のいじりっぷりが半端ないね。お人形さんみたい。最初見たとき、正直びびったわ(笑)」

酔いも手伝ってか、顔をまじまじと見ながら私がそう話すと、彼女はケラケラと笑いながら「そこまで直球で言われたことがなかったから面白くて超ツボった(笑)!」と腹を抱えて笑っていました。初めて整形をしたのは20歳のときで、その時は目と鼻をいじった。幼い頃は両親がいなかったことと目が一重で鼻が豚鼻だったことでいじめられ続け、ずっとコンプレックスだったそう。一度やったらくせになるというのは本当らしく、その後整形は顔だけでなく、豊胸や脂肪吸引など全身にまで及び、彼女いわく「埼玉の田舎で小さな一軒家が立つくらいのお金は使った」。

生焼けのカルビを2~3枚と大盛りご飯を一気にほおばり、頬をリスのように膨らませながら衝撃的な過去をこともなげに語る姿と、喧騒のなか、我関せずとあくびをしながら彼女のそばで眠そうに丸くなっているチワワがとても印象的でした。

あらかた食事を終え、先ほどよりもさらに酔いが回ると彼女は、ちょっと気持ち悪いと言い出しました。トイレで吐いてくればと勧めたのですが、大丈夫大丈夫と言い「実はもう一軒行きたいところがある」というのです。終電はぎりぎり間に合う時間でしたが、どんなお店なのか興味があったので彼女に付き合うことにしました。


後編へ続く

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