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〜街角ドキュメンタリー〜
素人名言劇場

【素人名言_ドキュメントNo.10】
名前:祥子さん/20代後半
インタビュー日時:2019年8月某日
インタビュー場所:池袋

(前回までのあらすじ)
出会いカフェで出会った祥子さんとお店を出て、新大久保の焼肉屋さんへ。食事の後、彼女が行きたいお店があるということで、私もついていくことに。


街角ドキュメンタリー


焼肉店を出て歩くこと20分、辿り着いたのは歌舞伎町と大久保のちょうど中間くらいに位置する、路地裏にある古びた雑居ビル。薄暗いそのビルはぱっ見、誰もいないようでした。「こんなところにお店なんかあるの?」と聞くと、まあまあいいからちょっと来なさいって、と言いながら私をエレベーターへと押し込む彼女。

そして7階に到着すると、目の前にはガラスの枠付きの木製扉がありました。ガラス部分にはカーテンがかかっていましたが、隙間からわずかに光が漏れています。中へ入るとカーテンで仕切られたベッドが複数設置してあり、その周辺を白衣を着た医師と看護師らしき人がせわしなく行き来していました。どうやら病院のようです。

「なぜこんなところに病院が?」「なぜ彼女はこのタイミングで病院に?」

酔っ払いつつも私は疑問だらけでした。彼女はここの常連だったらしく、勝手知ったるといった感じで、近くのカゴに自分のバッグを置き、羽織っていた白いカーディガンを脱ぎながら、とりあえずそばにあった椅子に座りました。あっけにとられながら、私も同じように近くにあった椅子に座ることにしました。疑問だらけだった私は彼女に対して色々と投げかけてはみたのですが、彼女はニヤニヤしながら「そのうちわかるから~」の一点張りで、何も話してはくれません。

しばらくの間、辺りの様子をうかがっていました。そして20分くらい経ったころ、彼女が白衣を纏った男性スタッフに呼ばれました。

「お兄さん、ちょっとそこで待っててね」と言うと、彼女は一番奥のカーテンの中へと消えていきました。まだ何が行われているかわからず、少し酔ってもいたので、ただただぼーっと待っていると、ちょうど彼女と入れ替わるようにして、カーテンから50代くらいのスーツ姿のおじさんが出てきました。そしてふらふらと近寄ってきて隣に座ると、持っていたカバンなど自分の荷物をゴソゴソと整理をしながら話しかけてきました。

「あんちゃん、あの金髪のねえちゃんの彼氏かい?」
「いえ違います。今日初めて会ったんです。彼女と知り合いなんですか?」
「なんだ、風俗の客か」
「客ではないです。おじさんは彼女と知り合いなんですか?」
「名前までは知らないが、知り合いっちゃあ知り合いだな。ここでよく会うんだ。じゃああんちゃん、ここに来たのも初めてか?」
「はい。初めてです。ここは何なんですか? みなさん何をしてて、あの白衣を着た人たちは何者ですか?」

おじさんはうーんとため息混じりに唸りつつ、ゆっくりと首を回しながら鷹揚な態度で語ってくれました。

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「あんちゃん、ここは見ての通り点滴を打つところ。”シャブ抜き所”っていう感じだな。あの金髪ねえちゃんはよく見かけるから、ありゃあ相当やってるはずだよ。”ズブズブ”ってやつだな。あんちゃん、悪いことは言わねえからあのねえちゃんにはあまり関わらない方がいいぞ。まあこんな場所で俺が言うのも説得力無いけどな。わははは」

『実話ナックルズ』とかでは読んだことはありましたが、こういうところって実際に存在するんだっていう小さな驚きとか感動とか、色んな気持ちがこみ上げてきました。

俳優の高橋克実さんに似たそのおじさんはおもしろい人で、自分にも私と同じくらいの年齢の息子が海外で働いていること、ここには週3回くらいの割合で通っていること、趣味の読書の話などで盛り上がり、彼女の”シャブ抜き”を待つ1時間くらいの間にいろいろな会話をしました。

あんまり楽しかったので、彼女がカーテンの奥から出てくるのが遠目に見えると「じゃあ俺は帰るわ」といって席を立ったので、私は連絡先を交換してほしいとお願いをしました。すると「俺なんかと一緒にいたってロクなことねえからやめときな」と、最初は断られましたが、まあでもこれも何かの縁だからなと言いながら名刺を渡してくれました。そこには有名暴力団の組名があり、おじさんの肩書きはそこの幹部でした。

名刺を見て無言になった私を見て察したのか「あんちゃんちょっとびっくりだろ(笑)。まあ仕事は普通じゃないけど、中身はあんちゃんと同じ赤い血の通った普通の人間だ。近くに来たらまた会えるといいな。ここじゃないところでな(笑)」

「ありがとうございます。正直、名刺を見た瞬間はびっくりしましたけど、おっしゃる通り同じ人間ですからね。ただまあ、この辺で怖い人に絡まれたら、おじさんの名前を出せば安心ですね」

「ばか! 俺の名前を出して逆に余計あぶねーめにあうこともあるから用心しろ。特にアジア系には用心しろよ」

半分本気っぽい口調で言うと、おじさんは帰って行きました。

おじさんが出て行ってしばらくすると、彼女が戻ってきました。「やっぱり(シャブとお酒の)チャンポンはやばかった(笑)。ごめんねこんなところに連れてきちゃって」。シャブとアルコールが少し抜けてスッキリしたらしい。そりゃそうだろう、先ほどよりも全然調子が良いようでした。

「これからどうする? 始発までは時間があるからどこかで飲む?」

私がそうたずねると「いや、お酒はもういらない。私は満喫で時間潰すよ。お兄さん、もし帰りたかったら帰ってもいいよ。こんなところにまで連れて来ちゃってごめんね」と、また申し訳なさそうに言いました。

「別にいいよ。じゃあ始発まで付き合うよ」

エレベーターで下に降りると、彼女と一緒に歌舞伎町の漫画喫茶に入りました。すると彼女がいきなり迫ってきました。
「なんかお兄さんとしたくなってきちゃったから、ここでしようよ!」

一晩で色んな刺激がありすぎてお腹いっぱいでそれどころじゃなかった私は、ありがたい申し出も丁重に断りました。そして喉が渇いていたので、彼女の分と一緒にお茶を取りに行きました。部屋へ戻ると、彼女はぐっすりと眠っていました。とりあえず私は一人で深夜ドラマを見ながら始発までの時間を潰しました。


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そして池袋方面の電車が動く時間になったので、眠っていた彼女を起こし、二人でお店を出ました。歌舞伎町からセントラルロードを通って新宿駅へ向かいながら彼女と連絡先の交換をし、今度はちゃんと普通の状態で会うという約束をしました。

朝5時くらいでしたが8月だったので外はすでに明るく、もう昼間のようでした。彼女は真っ白な日傘をさしながら「安かったから小さくても我慢して買ったんだけど、やっぱりダメだね」と言い、少し汚れたルブタンのピンクのパンプスを恨めしそうに見やると、痛そうにしながら歩き出しました。そしてそんな彼女の周りを昨夜と同じように、チワワが嬉しそうに駆け回っていました。駅に着くと最後に握手をして、チワワをバッグにしまうと僕らは改札口で別れました。

その日の夜、気になって彼女に電話をしました。でも「その番号は現在使われておりません」というアナウンスが流れるだけでした。




それから数年後、素人もののAVに出ていた祥子さんを偶然見つけました。年齢を重ねながら、顔はまたいじっていたので本人かどうかは最初自信がなかったのですが、左肩に入った薔薇のタトゥーから祥子さんだとわかりました。黒人との3Pというかなりハードな内容でした。焼肉を食べながら、セックスは好きでも嫌いでもないと言っていたときの彼女の顔と、嬉しそうに駆け回るチワワのことが、なぜだかふっと思い浮かびました。


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